2006年 06月 25日
仕事を教える、教わる |
仕事というのは特に私共のような手に職を付けるといった仕事の場合、教わるよりもむしろ教える方が難しいと思います。魚を捌くのも味付けや揚げ物をするのも感覚による所が多いので、この感覚というのは必ず1+1=2になる訳では無いので魚を1匹下ろすにしても何時も同じ大きさということは無いし、魚の種類によって下ろし方も変わります。調理師学校を卒業した人がこれで俺も一人前やと自信を持って料理屋に勤めると、さて魚1匹捌けない事が多く、いきなり自信を打ち砕かれてしまいます。技術というのは結局実践で年月を掛けて習得していくしか無いのでしょうね。又そうして頭ではなく体で覚えたものは、たとえ十年、十五年ブランクが有ったとしても忘れないものです。それが手に職を付けると言う事です。マニュアルでしか教わっていないことはマニュアル以上の事は出来ないのではないでしょうか。そういう意味では我々職人が新入りに対して仕事は盗めと言うのは意地悪をしているのではなく、教えるのが難しいという事も有るが結局そうして覚えていく事が最善なのではないでしょうか。
by kappoh-ryori
| 2006-06-25 11:09
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